安全・保全ガイド
安全なダイビングのための基本ルールと
宮古島特有の注意事項
ダイビング基本安全ルール
すべてのダイバーが守るべき基本的な6つのルール
絶対に息を止めない
水中では常に呼吸を続けることが最も重要なルールです。浮上時に肺の中の空気が膨張するため、息を止めると肺の損傷につながる危険があります。
バディシステムの厳守
すべてのダイビングでバディと行動を共にし、潜水前のBWRAFチェック、水中での相互監視、はぐれた際は1分間探して浮上することを徹底します。
浮上速度の管理
毎分18メートル(60フィート)を超えない速度で浮上し、5メートル(15フィート)で3〜5分間の安全停止を必ず実施します。
ダイビングプランの作成
最大深度、潜水時間、エントリー/エキジット方法を事前に計画し、自分のトレーニングレベルと経験の範囲内でダイビングを行います。
器材の点検と整備
毎回のダイビング前に器材の動作確認を行い、定期的なメンテナンスを実施。深度計とダイブコンピュータを必ず携行します。
体調管理
良好な精神的・身体的健康状態を維持し、アルコールや薬物の影響下でのダイビングは厳禁。疲労時は無理をしません。
宮古島特有の注意事項
美しい海には危険も潜んでいます。知識と注意で安全に楽しみましょう
危険生物への対策
公式情報もご確認ください
詳細情報は沖縄県の公式ページもご参照ください: 気をつけよう!!海のキケン生物(沖縄県)
ハブクラゲ
半透明で見えにくく、触手の毒は非常に強力。刺されると激痛とショック症状の危険。
対策: ラッシュガード着用、クラゲ防止ネット内で遊泳
カツオノエボシ
「電気クラゲ」とも呼ばれ、触手の毒で電撃のような痛み。
対策: 青い浮袋を見たら近づかない
アンボイナ
イモガイの一種で、毒針を持つ。刺されると神経毒により呼吸麻痺の危険。
対策: 貝類には触らない、素手で拾わない
オニヒトデ
全身が毒棘で覆われており、刺されると激痛と腫れ、アレルギー反応の危険。
対策: 絶対に触らない、グローブ着用でも危険
ガンガゼ
長く鋭い棘は簡単に皮膚を貫通し、折れやすく除去困難。
対策: 中性浮力の維持、洞窟内は特に注意
ウミヘビ
エラブウミヘビはハブの80倍の毒を持つが、基本的におとなしい。刺激すると危険。
対策: 見つけても触らない、追いかけない
オニダルマオコゼ
岩に擬態し、背びれの毒はハブの30倍。踏むと重篤な症状に。
対策: ダイビングブーツ着用、着底時は要確認
ミノカサゴ
美しい外見だが毒棘を持ち、好戦的で人を追いかけることも。
対策: 距離を保つ、撮影時も接近しすぎない
海況と潮流
潮汐と透明度
大潮時は流れが強くなる傾向。下げ潮時は透明度が良好になりやすい。
対策: 事前に潮汐表を確認し、計画を立てる
季節別注意事項
春季(3-5月)
水温23-25℃。5mmウェット推奨。花粉症の方は薬の影響に注意(宮古島に杉花粉はありませんのでご安心を)。
夏季(6-9月)
水温26-29℃。台風シーズン。ハブクラゲが最も活発。日焼け対策必須。
秋季(10-11月)
水温24-27℃。台風の影響残る。北風が強くなり始める時期。
冬季(12-2月)
水温20-23℃。ドライスーツまたは厚手のウェット必要。北風で海況不安定。
減圧症予防とダイビング後の飛行機搭乗
安全な帰路のために必ず守るべき待機時間
航空会社の公式案内
詳細は航空会社の公式案内もご参照ください: ダイビングをしていますが、搭乗にあたり何か注意が必要ですか。(日本航空)
飛行機搭乗までの待機時間
- 単一ダイビング後: 最低12時間
- 反復ダイビング後: 最低18時間
- 減圧ダイビング後: 24時間以上推奨
減圧症予防のポイント
- 十分な水分補給を行う
- ダイビング後の激しい運動を避ける
- アルコール摂取を控える
- 保守的なダイビングプロファイル
緊急時の対応手順
いざという時のために、手順を確認しておきましょう
事故発生時の初期対応
-
1
安全確保と要救助者の救出
二次災害を防ぎながら、要救助者を安全な場所へ
-
2
意識・呼吸の確認
反応の有無、呼吸の確認を行い、必要に応じてCPR開始
-
3
酸素供給
減圧症が疑われる場合は100%酸素を供給
-
4
緊急連絡
118番(海上保安庁)または119番(救急)へ通報
-
5
情報収集と記録
ダイビングプロファイル、症状の発現時期等を記録
危険生物による負傷時
- • クラゲ刺傷:海水で洗浄(真水は使用しない)
- • お酢での処置は種類により逆効果の場合あり
- • 触手が残っている場合は手袋等で除去
- • アナフィラキシーショックに注意
減圧症の疑い
- • 100%酸素を即座に供給
- • 水分補給(意識がある場合)
- • 神経学的評価の実施と記録
- • DAN JAPANへ連絡し指示を仰ぐ
海洋環境保全のためのガイドライン
美しい海を未来につなぐために、できることから始めましょう
触らない
サンゴや海洋生物には触れない。一見岩のように見えるものも生物の可能性があります。
中性浮力の維持
適切なウエイト量とBCDコントロールで、海底やサンゴに接触しないよう浮力を保ちます。
餌付けをしない
魚への餌付けは生態系のバランスを崩し、魚の行動を変えてしまいます。
日焼け止めの選択
サンゴに有害な成分を含まない、リーフセーフな日焼け止めを使用しましょう。
採取禁止
貝殻、サンゴ、その他の海洋生物や自然物の採取は厳禁です。
ゴミの持ち帰り
自分のゴミは必ず持ち帰り、見つけたゴミも可能な限り回収しましょう。
資料・ダウンロード・関連リンク
信頼できるマリンショップ選びのポイント
良いマリンアクティビティ体験は
「水中」だけでなく「サービス全体」で決まります
スタッフの質
丁寧な指導と水中でのきめ細やかなサポート。一人ひとりのレベルに合わせた対応。
安全性と設備
器材の衛生管理、自社船の有無、温水シャワーなど快適な設備。
柔軟な対応
海況変化への対応、日程調整の提案など、顧客に寄り添う姿勢。
宮古島美ら海連絡協議会の加盟ショップは、
厳格な安全基準を満たし、地域の海を熟知したプロフェッショナル集団です。